
営業AIエージェントとは?任せられる業務や導入の進め方、選定方法
営業AIエージェントは、調査・下書き・記録といった営業の定型的なタスクを自律的に実行するAIの仕組みです。任せられる業務と営業担当の確認や承認が必要な業務、導入の進め方、選定方法について解説します。
記事を読む
この記事のポイント
RPAやiPaaS、AIエージェントなど名前はよく耳にするものの、自社の定型業務を自動化するにはどれを導入すればよいのかわからない。1つのツールがRPA、iPaaS、AIエージェントを兼ねるケースもあり12、サービスページを見ても何ができるのかよくわからない。こんなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
本記事では、主要9製品の公式資料と中堅・中小企業1,300社への調査をもとに、業務自動化ツールの種類と選定方法、ツールと担当者の役割分担を解説します。
次のような課題をお持ちの、業務改善に取り組む担当者様はぜひ参考にしてください。
業務自動化ツールについて、主要9製品の公式資料をもとに整理すると、次の4種類に分類できます。

出典: UiPath3/Make4/n8n5/X-point Cloud6/コラボフロー7/Copilot Studio8
表の通り、ツールの種類ごとに、自動化する作業だけでなく、導入後の運用保守の作業も異なります。運用保守の体制は、後の章で詳しく解説します。
また、1つの製品が複数の機能を提供していることもあります。各社の公式資料には、次のとおり記載されています。

出典: Microsoft の Power Automate1/Zapier2/Yoom9
業務自動化ツールの比較検討は、製品名から入るのではなく、自動化したい業務フローに合わせて必要な製品を絞り込むことが重要です。
業務自動化ツールを選定するには、まず業務フローの手順を詳細化し、手順ごとに当てはまるツールの種類を決定します。
業務フローの詳細化は、1つ1つの動作(読む、承認する、渡す、入力する)レベルまで分解し、誰が、何を見て、何をするかを書き出します。たとえば、取引先から届いた請求書の支払い処理は、次の3つの手順に分けて考えます。
業務フローを詳細化したら、手順ごとに次の4つの判断基準に当てはめてツールの種類を検討します。

先ほどの取引先から届いた請求書の支払い処理では、手順ごとに次のツールが当てはまります。
このように、1つの業務でも手順を詳細化し、4つの判断基準に当てはめることで、手順ごとに最適なツールの種類を決めることができます。
一方で、手順ごとに当てはまる種類が3つになっても、3つのツールを導入する必要があるとは限りません。前章で確認したとおり、1つの製品が複数の機能を提供している場合もあるため、必要な機能が揃ったツールを選択してください。
業務自動化ツールを導入しても、すべての作業を自動化できるわけではありません。判断が必要な業務や導入後の運用保守など、人が対応すべき作業も残ります。本章では、業務自動化ツールと担当者の役割分担を決める際に押さえておきたいポイントを解説します。
中堅・中小企業のIT市場を調査しているノークリサーチ10が、2025年7〜8月に中堅・中小企業1,300社を対象におこなった調査によると、ツール活用の課題の上位4つは次のとおりです。

人が判断・実行したほうがよい業務があると答えた企業は、26.8%と最も多いことが分かります。ツールと人の役割分担が曖昧なまま運用を開始すると、本来は担当者が判断すべき工程でフローが停止したままになったり、想定外の処理が実行されたりする可能性があるため、ツールに任せる業務と、人が判断したうえで実行する業務は、事前に整理しておく必要があります。
たとえば、請求書の金額の読み取りはAIが実行したうえで、支払いの前に実際の振り込み金額を人が確認するなど、ツールの実行が実務に悪影響を及ぼさないよう、人による確認ポイントを設けます。
業務自動化ツール導入後は、適切な運用保守が必要となりますが、ノークリサーチが2026年9月に発表した中堅・中小企業1,300社の調査11によると、年商5億円未満の企業(200社)のIT 管理体制は次のとおりです。

年商5億円未満の企業では、専任の情シスが在籍する企業は11.0%と全体の1割ほどにとどまることが分かります。また、先ほどのツール活用の調査でも、ITスキルを持つ社内人材がいないという回答が23.8%を占めています。
このことから、ツールの運用保守は、情シスではなく、別の業務を抱える兼任の担当者が対応する可能性が高いことが推測できます。その場合、エラー対応や設定変更が追いつかず、導入したツールを十分に活用できなくなる可能性があります。そのような状況を回避するには、導入前に運用保守に必要な作業を洗い出し、担当者が対応するスコープを明確にしておくことが重要です。
また、自社で対応できないトラブルに備え、ツールの提供会社に問い合わせできる窓口やサポート内容も確認しておきましょう。社内の担当者だけで運用保守を抱え込まず、適切に外部リソースを組み込みながら体制を整えることで、導入後もツールを継続的に活用しやすくなります。
人が判断・実行する業務と運用保守の担当者を決めたら、業務フローの手順ごとに担当者を役割分担表に整理します。取引先から届いた請求書の支払い処理では、次のとおりです。

手順ごとにツールと人のタスクを整理しておくと、ツールがエラーなどで停止した際、誰に相談すればよいかを明確にでき、対応で迷うことが減ります。また、先ほどのノークリサーチのツール活用に関する調査では、業務フローが属人化しているという課題が全体の21.9%を占めていました。ツール導入に際して業務の流れを手順ごとに整理しておくことで、ツールの導入や引き継ぎをスムーズに行えるだけでなく、属人化していた業務フローをナレッジとして蓄積しほかのメンバーに共有できるようになります。
最後に、業務自動化ツールの導入費用に使える、国の補助金にも触れておきます。デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)では、補助の対象になるかは、ツールが担う業務プロセスによって判断されます。
中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局が公開する2026年度の公募要領12では、RPA単体では申請できず、業務ソフトと組み合わせて1プロセスと数えます。
たとえば、プロセス番号「汎P-07」にはRPAやチャットボットシステムが分類され、公募要領内に「『汎用プロセス』のみを保有するITツールは単独では交付申請不可だが、『共P-01』~『各業種P-06』と組み合わせて交付申請することで、1プロセスとしてカウントされ交付申請が可能となる」と定められています。

つまり、RPA は、会計ソフトのように共P-01〜各業種P-06の業務プロセスを担うツールと一緒に申請したときに、汎P-07の1プロセスとしてカウントされます。
また、補助対象には導入後の運用保守サポートの費用も含まれます13。そのため、申請するプロセスと合わせて、運用保守の担当者とスコープを整理した上で補助金を申請する必要があります。
申請は、補助金の事務局に登録された IT導入支援事業者と一緒におこないます。最新の公募要領や締切は、事務局のWebサイトをご確認ください。
業務自動化ツールには、RPA・iPaaS・ワークフロー・AIエージェントの4種類があり、それぞれ自動化できる作業や導入後に必要な運用保守が異なります。ツールを選ぶ際は、製品の知名度や導入費用で比較するのではなく、業務フローを詳細化し、各手順に適した種類を見極めることが重要です。
また、ツールを導入しても、人による判断が必要な業務は残ります。エラー対応や設定変更などの運用保守も含め、ツールと担当者の役割分担を明確にし、誰が何を担当するのかを事前に決めておきましょう。
他、デジタル化・AI導入補助金の活用を検討する場合は、対象となる業務プロセスや申請条件を確認する必要があります。
まずは自社の業務フローを整理し、手作業が多い業務や負担の大きい作業を洗い出すことからはじめましょう。自動化する範囲と運用体制をセットで検討することが、業務効率化を継続的な成果につなげるポイントです。
当メディアでは、定型業務の自動化に関する情報・ノウハウの発信をしております。また、当社プロダクトのAgentinoでは、営業やマーケティング業務を自律的に支援するエージェント基盤としても利用されていますので、営業プロセスを効率化したい企業様でご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
A.業務フローを、読む・承認する・渡す・入力するといった動作の単位まで詳細化し、手順ごとに4つの判断基準に当てはめて種類を決めます。判断が必要ならAIエージェント、承認を伴うならワークフロー、アプリ間でデータを連携できるならiPaaS、画面操作が必要ならRPAが当てはまります。
A.アプリ間でデータを直接渡せるならiPaaS、システムの画面に1件ずつ入力する必要があるならRPAが当てはまります。たとえば請求書の内容を会計ソフトに登録する手順では、会計ソフトへデータを直接渡せるかどうかで選びます。
A.残ります。ノークリサーチが2025年7〜8月に中堅・中小企業1,300社を対象におこなった調査では、ツール活用の課題として「人が判断/実行したほうが安全かつ効率的な業務もある」が26.8%で最も多くなりました。支払いの前に振り込み金額を人が確認するなど、人による確認ポイントを設けます。
A.ノークリサーチが2026年9月に発表した調査では、年商5億円未満の企業(200社)で専任の情シスがいるのは11.0%にとどまります。運用保守は兼任の担当者が担う可能性が高いため、導入前に必要な作業を洗い出して担当するスコープを決め、提供会社のサポート窓口も確認しておきます。

営業AIエージェントは、調査・下書き・記録といった営業の定型的なタスクを自律的に実行するAIの仕組みです。任せられる業務と営業担当の確認や承認が必要な業務、導入の進め方、選定方法について解説します。
記事を読む
営業活動の自動化は、メールやZoomをCRMと連携して活動記録を自動化するところから始めるのが近道です。国内外の調査と主要製品の公開情報をもとに、営業プロセスを7つの工程に分け、自動化を進める順序とAIエージェント・営業担当の役割分担を解説します。
記事を読む
AI SDRを提供する海外ベンダーの公式資料と導入企業の事例を調査すると、AI SDRは営業担当の仕事を奪うのではなく、営業担当との協業によって業務を遂行しているようです。AI SDRが営業プロセスのどの工程をどこまで担うのか、その線引きを決めているものは何かを、営業プロセスを11工程に分けて解説します。
記事を読むNext step