
営業AIエージェントとは?任せられる業務や導入の進め方、選定方法
営業AIエージェントは、調査・下書き・記録といった営業の定型的なタスクを自律的に実行するAIの仕組みです。任せられる業務と営業担当の確認や承認が必要な業務、導入の進め方、選定方法について解説します。
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営業活動の効率化を目指してCRMを導入したものの、入力作業が増えただけで十分に活用できていない。商談を増やすために何から自動化すべきか、判断に迷っている。こうした課題を抱える企業は少なくありません。
営業プロセスの自動化を検討する際、営業メールや提案書の作成など、負担の大きい業務から着手したくなるかもしれません。しかし、主要な営業向けAIエージェントは、CRMに蓄積されたデータをもとに稼働します。そのため、まずはメールやZoomをCRMと連携させて活動記録を自動化し、段階的にAIエージェントの対応範囲を広げていくことが近道です。
本記事では、国内外4社による営業活動に関する調査と、主要4社の製品公開情報をもとに、営業プロセスを7つの工程に分け、自動化を進める順序とAIエージェント・営業担当の役割分担を解説します。
特に、次のような課題を抱える営業責任者の方に役立つ内容です。
営業プロセスを、以下の2つの記事を参考に7つの工程に整理しました。

各工程における従来の営業担当の作業、AIエージェントが対応できる範囲、自動化との相性は次のとおりです。

自動化との相性は、◎が「最もよい」、○が「よい」、△が「一部自動化できる」、×が「営業担当が対応する」を示しています。
自動化との相性が最もよいのは、工程6 商談の記録・フォローアップ と 工程7 各工程の連携 です。
工程6では、営業担当がCRMに手入力していた商談内容をAIエージェントが自動で記録できます。記録作業を代替するだけであれば、既存の運用にも影響を与えません。
工程7では、各ツールの連携方法や実行条件を一元管理する基盤上で、AIエージェントが稼働します。
工程1「ターゲット選定」から工程3「接触タイミングの決定」も、自動化に適しています。条件やトリガー(処理を開始するきっかけ)を設定すれば、AIエージェントがリード一覧の作成から接触タイミングの検知まで、一連の作業を自律的に実行できます。
工程4「アプローチ・接触」では、メールなどの文章作成をAIエージェントに任せられます。ただし、送信前には営業担当による内容の確認が必要です。
一方、工程5「商談」は営業担当が対応します。顧客が営業担当との折衝を求める工程であり、商談で合意した条件には導入企業が責任を負うためです。
では、7つの工程のうち、どこから自動化を始めるべきでしょうか。
営業活動をAIエージェントで効率化するには、自動化との相性がよい工程から着手することが重要です。なかでも、最初に取り組みたいのが工程6「商談の記録・フォローアップ」にあたる活動記録の自動化です。
理由は2つあります。
1つ目は、営業プロセスのなかでも、活動記録は特に工数を削減しやすいことです。HubSpot Japanの「日本の営業に関する意識・実態調査2026」では、営業活動に生成AIを活用することで、CRMへの活動記録の入力時間が週平均4.0時間削減されたと報告されています。
出典: HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026の結果をHubSpotが発表」(2026年2月27日)
2つ目は、営業向けAIエージェントが、メールとCRMの同期を前提に設計されていることです。メールやZoomとCRMを連携させることで、活動記録を自動的に蓄積できます。AIエージェントは、そのデータを判断材料として自律的に稼働します。
活動記録の自動化では、通話や会議、メールの内容をツールが自動で記録します。主な製品の機能は次のとおりです。
出典: Magic Moment「AI化を、顧客接点からまるごと進める。」/HubSpot「Fall 2026 Spotlight: HubSpot just made its most foundational product release, giving teams a new way to work to get 3x better outcomes」(2026年9月16日)/Microsoft「AI agents in Dynamics 365 Sales」
活動記録を自動化することで、入力作業の負担を軽減できるだけでなく、ほかの工程でAIエージェントを活用するための準備も整います。
導入は次の手順で進めます。
こうしてCRMに蓄積した活動記録は、ほかの営業工程でもAIエージェントの判断材料として活用できます。
活動記録によってCRMに蓄積されたデータは、AIエージェントの判断材料になります。工程1「ターゲット選定」から工程3「接触タイミングの決定」では、AIエージェントがCRMのデータをもとに、あらかじめ設定されたトリガー(処理を開始するきっかけ)を検知し、自律的に稼働します。
Salesforceの調査では、AIを活用する営業リーダーの51%が、システムの分断によってAI活用が遅れていると回答しています。システムごとにデータが分散していると、AIエージェントの判断に必要な情報がそろわないためです。
また、Gartnerは2025年11月の発表で、AI活用に先立ち、正確なデータを蓄積できるよう業務フローを整理することを推奨しています。
つまり、工程1から工程3をAIエージェントに任せられるかどうかは、CRMに必要なデータがそろっているかに左右されます。
これらの工程を自動化するために、次の準備を進めましょう。
こうしてCRMのデータを整備することで、ターゲット選定から接触タイミングの決定まで、AIエージェントに任せるための準備が整います。
活動記録を自動化し、ターゲット選定から接触タイミングの決定までをAIエージェントに任せられるようになったら、次は工程4「アプローチ・接触」の自動化に進みます。
まずはメールの作成をAIエージェントに任せ、営業担当が内容を確認してから送信する運用を確立しましょう。その後、AIエージェントの精度や送信条件が安定した段階で、自動送信へ切り替えます。
段階的に進める理由は、AIエージェントが作成した文章に、事実と異なる情報や相手に適さない表現が含まれる可能性があるためです。こうしたメールを送信すると、顧客の心証を損ねるおそれがあります。また、一度送信したメールは取り消せません。
そのため、導入初期は営業担当が内容を確認し、どのような顧客や内容であれば確認なしで送信できるかを見極めることが大切です。
主要な製品にも、送信前に営業担当が確認できる仕組みがあります。HubSpotのProspecting Agentでは、1件ずつ確認して送信する設定と、確認なしで自動送信する設定を選択できます。SalesforceのHunterでも、AIエージェントによる送信前に営業担当の承認を求めることが可能です。
出典: HubSpot「Set up and use the prospecting agent」/Salesforce「Meet Hunter, Your New Outbound Sales Agent」
一方、顧客との複雑な交渉を伴う商談は、営業担当が対応する工程です。
MicrosoftのSales Close Agentのように、AIエージェントが商談のクロージングまで対応できるとされる製品もあります。しかし、多くの場合、工程5「商談」は営業担当が対応しています。その理由は2つあります。
1つ目は、顧客のニーズです。AIの活用が進むなかでも、顧客は商談の場で営業担当との直接的なやり取りを求めています。
GartnerがB2Bの商談担当者(顧客)645名を対象に、AIエージェントと営業担当を比較した調査では、次の結果が報告されています。

Gartnerは同じ調査で、AIは調査やDM作成、シグナル・トリガーの監視、ネクストアクションの提示に優れている一方、営業担当は共感や判断、文脈の理解、価値の提示において優勢と評価しています。
この結果から、顧客は商談において、情報や数値の提供だけでなく、自社の状況を理解し、意思決定を支援してくれる営業担当を求めていると考えられます。
2つ目は、責任の所在です。「AI SDRは営業の仕事を奪うのか、海外ベンダーの公式資料と導入事例から分析」でも整理しているとおり、商談でAIエージェントが値引きや納期などの条件を提示した場合、その内容は自社の営業担当が顧客に約束した条件として扱われます。
AIエージェントが提示した条件に責任を負うのは、AIの提供ベンダーではなく、導入企業です。
一方、商談の前後に発生する作業は自動化できます。ウィルオブ・ワークが営業職676名を対象に実施した調査では、AIを活用している、または活用したい業務として、次の項目が上位に挙がっています。
出典: ウィルオブ・ワーク「【営業職のAI活用調査】営業組織で問われているのは、任せる範囲と、人が担う領域の設計」(2026年8月26日)
また、主な製品にも、次のような機能が搭載されています。
出典: Salesforce「Agentforce Sales: Agents Handle The Grind, Sellers Focus on the Win.」(2026年3月16日)
工程5「商談」では、日程調整や商談準備などの前後の作業をAIエージェントに任せることで、営業担当は、顧客のニーズを理解し、適切な提案を行うための時間を確保できます。
本記事では、営業プロセスを自動化する際の優先順位と、AIエージェント・営業担当の役割分担について解説しました。

営業活動の自動化は、まず工程6「商談の記録・フォローアップ」から始めましょう。次に、CRMに蓄積したデータを活用し、工程1「ターゲット選定」から工程3「接触タイミングの決定」へと自動化の範囲を広げます。その後、工程4「アプローチ・接触」を段階的に自動化します。
一方、工程5「商談」は営業担当が対応し、日程調整や商談準備などの前後の作業をAIエージェントに任せることで、顧客との対話や提案に集中できる環境を整えます。
当メディアでは、営業活動の自動化に関する情報やノウハウを発信しています。また、当社のプロダクト「Agentino」は、営業・マーケティング業務を自律的に支援するエージェント基盤として活用できます。営業プロセスの効率化をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
A.メールやZoomをCRMと連携させ、商談の記録・フォローアップにあたる活動記録の自動化から始めるのが近道です。主要な営業向けAIエージェントはCRMに蓄積されたデータをもとに稼働するため、活動記録を自動化すると、入力作業の負担が軽くなるだけでなく、ほかの工程でAIエージェントを活用する準備も整います。
A.営業プロセスを7つの工程に分けると、自動化との相性が最もよいのは商談の記録・フォローアップと各工程の連携です。ターゲット選定、リードの調査、接触タイミングの決定も自動化に適し、アプローチ・接触はメールなどの文章作成を任せられますが、送信前に営業担当による確認が必要です。商談は営業担当が対応します。
A.導入初期は、AIエージェントが作成したメールを営業担当が確認してから送信し、精度や送信条件が安定した段階で自動送信へ切り替えます。AIエージェントの文章には事実と異なる情報や相手に適さない表現が含まれる可能性があり、一度送信したメールは取り消せないためです。
A.多くの場合、商談は営業担当が対応しています。GartnerがB2Bの商談担当者(顧客)645名を対象に行った調査では、「ニーズを理解してくれた」の項目で営業担当がAIエージェントを39ポイント上回り、AIエージェントが提示した条件に責任を負うのも導入企業です。一方、日程調整や商談準備などの前後の作業はAIエージェントに任せられます。

営業AIエージェントは、調査・下書き・記録といった営業の定型的なタスクを自律的に実行するAIの仕組みです。任せられる業務と営業担当の確認や承認が必要な業務、導入の進め方、選定方法について解説します。
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